第8回 受賞作品紹介

物語部門

最優秀賞

『ぼく しらないよ』木村 セツ子

あらすじ

まいにちふとんをぐしゃぐしゃにする犯人を見つけるため、ひろくんはうそっこねむりをして犯人が現れるの待ちます。するとふとんがめくれて…… 次々に広がっていく話が面白く、最後まで展開が楽しみな絵本です。

作者

文:木村 セツ子
絵:大村 えつこ

物語部門 選評

ひろくんのふとんは、朝、いつもぐしゃぐしゃ。ひろくんは、ぐしゃぐしゃにするやつを、つかまえることにしました。ふとんの横にひもをおき、うそっこ眠りをして…と、作戦を練って、いよいよ実行です。さあ、捕まえることはできるでしょうか? 身近なふとんから発想した、とても楽しい、最優秀にふさわしい作品です。

選考委員 岡 信子
審査風景

こどもの部

優秀賞

『ハッチーお仕事がんばるよ』遠藤 萌花

物語部門 選評

ハッチーは働きばち。女王ばちに命じられて、イチゴハウスで働くことになりました。お花畑がよかったハッチーは、がっかりしますが、「がんばろう!」という気持ちに変わります。その変化が自然に描かれていて、とても素直な作品。小さな生き物の気持ちになって、想像力をふくらますことができる作者は、きっと心優しい人なのだと思います。

選考委員 すとうあさえ
審査風景

佳作

『うみのどうぶつえん』MIYU

『夢の出来事』小林 輿世

『サンタさんに会えた』馬場 比奈子

大人の部

優秀賞

『じゃんけん』志賀 哲敏

物語部門 選評

お月さまとじゃんけんをして、チョキをだして勝ったぼくは、月になって空へのぼります。次いで、風にも雨にも勝って、大空の冒険が続きます。雄大です。自由です。星や雲のおしゃべりも楽しい。無駄な言葉がなく、詩的でオノマトペも効いています。子どもらしい目線と心の動きがさらに重なれば、いっそうすてきな作品になるでしょう。書き続けてください。

選考委員 正岡 慧子
審査風景

佳作

『くま鈴の音』ひろいれいこ

『将ちゃんの手紙』三浦 幸子

『でんせんにんじゃ』荻田 美加

絵画部門

最優秀賞

『ジャングルに ようこそ』大村 えつこ

絵画部門 選評

応募作品のなかで、森や動物達を描いたものはたくさんありあます。それらのなかでこの絵は、図式的でわかりやすい可愛いさではなく、何かこれから起こる物語を予感させる魅力をもっています。動物や植物の表情は、素朴だけどきくばりがいきとどいていて、卓越した作者の能力がみえます。

選考委員 坪内 成晃
審査風景

優秀賞(こどもの部)

『キリンロボットが星を見ていたら、金色の列車が空を通って行きました。』原口 怜久

絵画部門 選評

画面いっぱいを使って描かれたロボットと列車の絵。後ろには大きな星がピカピカと光っています。ロボットはキリンなので、首が少し長く、頭には角があります。空を見上げてとても楽しそうです。そんなキリンロボットの気持ちが伝わってくる絵です。つぶやきのようなタイトルを含めて、のびのびとした雰囲気に魅かれました。

選考委員 山本 省三
審査風景

優秀賞(おとなの部)

『おへそのお』仙波 るい

絵画部門 選評

軽妙洒脱な作品です。「へそのお」から連想するアイデアは難しい表現になるとおもいますが、明るく爽やかな色調で、気持ちよい世界を与えて好感がもてます。よく見ると部分的に細かい刺繍が施されており、空気感のある画面をつくるのに役立っています。描写スタイルも現代的でいいですね。

選考委員 坪内 成晃
審査風景

佳作

『あそぼうよ』小泉 詩絵

『文字の雨』エミリヤノフ ニコラ

『かぜ』yomo

日本新薬特別賞

『お星さまをつりたいな』ゆずジャム

『大きくなったら』ぶんぶく

第8回 選考委員紹介

日本新薬こども文学賞 選考委員の紹介です。

岡 信子(おか のぶこ 絵本・童話作家)

プロフィール
岐阜県に生まれ、東京に育つ。幼稚園教諭を経て、児童文学作家として独立。主な作品に『海の見える観覧車』(小学館)、『夜あるくお人形』(文研出版)など多数。『花・ねこ・子犬・しゃぼん玉』(旺文社)で日本児童文芸家協会賞を受賞。『はなのみち』は、30年にわたり小学一年生の教科書に、『おおきなキャベツ』は小学二年生の教科書に掲載され、多くの子どもたちに知られている。一般社団法人日本児童文芸家協会理事長を経て、現在、同協会顧問、及び公益社団法人日本文藝家協会理事。

すとう あさえ(絵本・童話作家)

プロフィール
東京生まれ。幼児教育番組制作を経て童話作家となる。主な作品に『ざぼんじいさんのかきのき』(岩崎書店)、『タネオがきた』(文研出版)、『まなつのみみず』(佼成出版社)、『一円大王さま』(ひさかたチャイルド)ほか。紙芝居に『ぶるるん ぶるた』『もしももしものもしもんがきた』(いずれも童心社)など。『子どもと楽しむ 行事とあそびの絵本』(のら書店)で産経児童出版文化賞受賞。『はしれ ディーゼルきかんしゃデーデ』(童心社)で住田物流奨励賞 特別賞受賞。現在、一般社団法人日本児童文芸家協会常務理事、及び公益社団法人日本文藝家協会会員。

坪内 成晃(つぼうち しげあき 京都精華大学名誉教授)

プロフィール
1944年京都府生まれ。京都市立美術大学(現京都市立芸術大学)卒業。京都精華短期大学(現京都精華大学)助手、京都精華大学講師、助教授を経てデザイン学部ビジュアルデザイン学科 イラストレーションコース教授。2010年学長就任。京都精華大学創立時より一貫してビジュアルデザイン教育に携わり、数多くのクリエイターを輩出。専門はイラストレーション、ポスター、舞台デザイン、装丁等。現在、京都精華大学名誉教授。

細谷 亮太(ほそや りょうた 聖路加国際病院 小児科 特別顧問)

プロフィール
1948年、山形県生まれ。72年、東北大学医学部卒業、聖路加国際病院小児科勤務。77〜80年、テキサス大学MDアンダーソン病院がん研究所小児科にクリニカルフェローとして勤務。80年、聖路加国際病院に復職し、94年小児科部長、2003年副院長。専門は小児血液・腫瘍学。俳人(俳号は喨々)としても活躍するほか、エッセイやコラムを多数執筆。主な著書に『医師としてできること できなかったこと』『小児病棟の四季』ほか。

正岡 慧子(まさおか けいこ 絵本・童話作家)

プロフィール
広島県に生まれる。広告代理店勤務を経て作家となる。主な絵本・児童書は、『きつねのたなばたさま』(世界文化社)、『ぼく、まってるから』(フレーベル館)、『あなぐまのクリーニングやさん』『探偵犬スコットと仲間たち』(PHP研究所)ほか。実用書には『からだの知恵 食のひけつ』(講談社)などがある。執筆のかたわら、読み聞かせ講座や高齢者のための朗読活動を続けている。現在、一般社団法人日本児童文芸家協会顧問、及び公益社団法人日本文藝家協会会員。

山本 省三(やまもと しょうぞう 絵本・童話作家)

プロフィール
1952年、神奈川県生まれ。横浜国立大学にて児童心理学を学ぶ。卒業後、医薬品メーカーのコピーライターを経て、絵本創作をはじめる。絵本の他、童話、紙芝居、パネルシアター、造形、パズル考案など、子どもにかかわるさまざまな分野を手掛ける。絵本では『おふろでぽっかぽか』(講談社)、『もしも宇宙でくらしたら』(WAVE出版)、童話には『ゆうれいたんていドロヒュー』シリーズ(フレーベル館)などがある。『動物ふしぎ発見』シリーズ全五巻(くもん出版)で、第34回日本児童文芸家協会賞特別賞を受賞している。現在、一般社団法人日本児童文芸家協会常務理事。

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