物語部門
最優秀賞
『ぴっかぴかの いわこちゃん』
あらすじ
「いわこちゃん」は、丸い岩の女の子。お友達がたくさんいます。ワンピースが汚れないか心配でドキドキしているキツネさん、たてがみが流行らないと言われてイライラしているライオンさんや、お相撲で負けてシクシク泣いているクワガタさんたちを明るい言葉で元気づけます……あちらこちらに言葉あそびをちりばめて、思わず笑顔になる明るい作品です。
作者
文:嵩元 友子
絵:福田 寛
物語部門 選評
いわこちゃんは、お友だちの悩みを解決してあげる、頼りになる岩の女の子です。ところが、ある日から、お友達がぱったりと来なくなり、落ち込んでしまいました。 やがて、それが誤解だったと判明。裏切られた悲しさや勘違いだった時の喜びなど、日常生活の中で起きそうな出来事が、軽快なタッチで描かれていて、最優秀賞にふさわしい作品と高い評価を得ました。

こどもの部
優秀賞
『みかん』
物語部門 選評
「みかん」というねこにまつわる不思議な話。サッカーに夢中な主人公に、みかんを病院につれていくようにと、知らない高校生があらわれていう。みかんは死んでしまい「あのとき、病院につれていけば……」後悔するぼくは高校生。ある日、こどもの頃の自分に出会い「みかんを病院に」と全力で説得する。タイムスリップ話だが、時空のもどかしさと深い悲しみが伝わってきた。

佳作
『空色の恋』
『ゾウをつかまえたペンギン』
『かがみもちのみかん』
大人の部
優秀賞
『ふわふわネズミのおしり』
物語部門 選評
道に迷ったネズミくんは、穴にはまって抜けなくなってしまった“ふわふわのおしり” を一生懸命押して、助けてあげようとします。しかし“ふわふわのおしり”は、ネコだったのです。吉本さんの文章は巧みで、ネズミとネコの気持ちの変化が丁寧に自然に描かれています。信頼と友情の物語。読後感がさわやかな作品です。

佳作
『小さい風』
『力もちのフンコロガシ』
『おなべがランドセル』