物語部門
最優秀賞
文:坂井 敏法/絵:植田 知成
あめくんデビュー
物語部門 選評
今回は、小学6年生(応募の時点)の坂井敏法君の作品が、最優秀賞に輝きました。最終審査委員総てが最高得点をつけるという、異例の結果の入賞です。 主人公はデビュ-をひかえた、生まれたてのあめくん。雨を降らせることに意欲満々のあめくんに、思わぬ事態が起こります。空から見下ろして好感を持っていた小さな男の子が、てるてる坊主を作りおばあちゃんのために“いい天気”を願うのです。ところが、この“いい天気”が、全くの逆発想だったことには、意表を衝かれました。お話を巧みに盛り上げる技術にも秀でた、最優秀賞にふさわしい作品です。
優秀賞こどもの部
桜糀 乃々子
迷子になった影法師
物語部門 選評
このお話の一番の魅力は、影法師の持ち主が誰かわからないことでしょう。その持ち主探しがおもしろく、読む人を物語の中に引き込んでくれるのです。また持ち主の特徴が、かなりおかしくて笑ってしまいます。さらに持ち主から離れて15日たつと消えてしまう設定には、はらはらさせられました。結末も意外性があってみごと。短い枚数の中にいろいろな要素を取り入れて、ばらばらにならずうまくまとめあげたことに拍手をおくります。
- 佳 作
横谷 友哉
ぼくのふしぎな手
中山 裕貴
楽しい音楽隊
星下 笑瑠
おしゃれって楽しい?
優秀賞大人の部
山本 志穂
チョッキン屋へようこそ
物語部門 選評
ヘビくんは散歩の途中、「チョッキン屋へようこそ」という看板をみつけました。木の上から見ていると、クマもウサギものびた毛をチョキチョキチョッキン。そう、ここはキツネさんのお店「かっこよくなりたい人の変身屋」です。この作品の素敵なところは、毛のないヘビくんと、自分の毛を自由にできないキツネさんの、お互いを思いやる優しさです。主人公がおしゃれをしたいヘビくんというのもユニーク。無駄のない文章にも創作力を感じます。
- 佳 作
タン 太衣子
ケーキになった庭
田中 信彦
恋するソラちゃん
佐々木 加代子