物語部門
最優秀賞
『ふしぎな水色のゾウ』
あらすじ
学校からの帰り道、バスをのりすごしてしまった「さや」が出会ったのはふしぎな水色のゾウ。 ふたりを結びつけたのは、いなくなってしまったはずのネコとの“やくそく”でした。
「生きるものはみな、なにかに見守られている」。そんなテーマを感じさせるやさしいお話です。
作者
文:月 ゆき
絵:いしばし ひろやす
物語部門 選評
ありえないことが、違和感なく、すーっと心に入ってくる物語です。ぞうが水色というのが、心を明るくさせます。不思議な出来事が、「飼っていた猫の配慮で、人は、かつて愛した者達に守られている」という、水色のゾウの言葉に説得力がありました。美しい情景描写も印象に残る、実在感のある、最高賞にふさわしいファンタジー作品です。

こどもの部
優秀賞
『風の子 ヒュン ピュン』
物語部門 選評
ふたごの風の子の楽しい童話ができあがりました。まず主人公たちのいたずらが、どれも読者が身近に感じられる素材を使っている点が良いです。またその二つが結末にうまく活かされているところがすばらしいです。さらにおしまいに風の子のお母さんの優しさも伝わってきて、物語の組み立ての上手さに本当に感心させられました。

佳作
『ゆりかちゃんの給食大作戦』
『いちごちゃん恐怖の「ん」の字に会う』
『しまくまのパンダ』
大人の部
優秀賞
『もみじ平の秋』
物語部門 選評
林の中を行く列車で、偶然であった少年とバイオリニスト。物語はふたりが気づかない方向へ展開していきます。なつかしさと、あたたかさ、意外性のある作品として、最後まで大賞候補作品に残りましたが、絵本というより文章で読ませるほうが、作品として味がでるのではないかということになり、優秀賞に決まりました。

佳作
『ルーピーのあんないばん』
『ねこンビニ』
『ちょうだいな』