日本新薬こども文学賞
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きらきら未来
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おいらのなまえはミケ。とつぜんだけど、キミは「みけねこマンション」をしってるかい?しらない?じゃあ、これからはじめるはなしを、りょうみみをピンとたててきいてくれ。あるあさのことだった。ズドーーーーンッ!ニャゴにいさんがとびおきた。「いまのはなんのおとだ?」「おれもきいたよ。もりだな、いこう」トラにいさんがはしりだし、おいらたちはついていった。まちのはずれのもりにいくと、さくらのきがきりたおされていた!かあさんがげんきだったころ、いっしょにあそんだおもいでのきだったのに。ニャゴにいさんは、うなるとけをボワッとさかだてた。トラにいさんは、かんばんをじっとにらんだ。「にんげんがもりをこわしてマンションをたてるきだな」よるになって、おいらたちはさくせんかいぎをした。「にいさんたちは、ちょうろうフクロウにたのんで、てがみをかいてもらってくれ。おいらは、ねずみのデカにあってくる」「おいデカ、おもてへでてこい!さもなきゃたべるぞ!」おどろいたデカは、いわあなからとびでてきていった。「たべるきか、それとも、たたかうきか!」「どっちもちがうんだ!たすけをもとめてきたのさ」おいらはわけをはなして、デカにこころからたのんだ。「よし、わかった。こうかんじょうけんとして、これからは、ぼくたちをおそわないでくれ」デカは、おいらのめをじーとみた。そして、おいらは、しかたなく「オーケー」とこたえた。ニャゴにいさんとトラにいさんは、ちょうろうフクロウにあいにいった。「おーい、ちょうろう!たすけてくれ!」「このもりがマンションになっちまわないように、てがみをかいてくれ!」「よーし、わかった。おまえたちのかわりに、にんげんにおどしのてがみをかいてやろう」おいらたちは、てがみをマンションのこうじげんばにはりだした。〈マンションのなかに、しぜんがあるばしょをいっぱいつくらなければ、こうじげんばをたいりょうのねずみがおそうことになるぞ。にんげんたちよ、かくごしろ!みけねこ三きょうだいより〉すると、にんげんがやってきた。「ヘンテコリンなことがかいてある」「なんだこりゃ?きっとこどものいたずらだな。こんなものきにしなくていいさ」いまだ!いけー!「うおー、ほんとうだったのか!もりのたたりだー」にんげんたちは、こりたんだろうな。こうじの けいかくは、おおきくかわった。みけねこのてがみのうわさはひろがり、どうぶつずきのにんげんがあつまってきて、しぜんともなかよくすむようになったのさ。こうして「みけねこマンション」がうまれたんだ。どのきせつもしぜんがサイコーなマンションさ。まあ、もうねずみをとれないのはザンネンだけど、デカとのやくそくだからな。めでたしめでたしってわけさ。 おいらの名前はミケ。兄さんが二人いる。ニャゴとトラだ。おいらたちは、それぞれ気ままにくらしている。でも時々いっしょに遊ぶ、仲良しみけねこ三兄弟だ。とつぜんだけどキミは、ミケねこマンションを知ってるかい?けっこう有名だぜ。「それって何?」と思う人もいるだろう。だからおいらは長ろうガラスにお願いして、このお話を書いたんだ。両耳をピンと立てて聞いてくれ。ある朝、ニャゴがとび起きて言った。「おや?今のは何だ?」「何だって、何だよ。」おいらはねむたい目を前足でこすって言った。「おれも聞いたよ、ニャゴ。森だな、行こう。」トラがそう言って走り出したから、おいらたちはついて行った。おいらたちが生まれ育った森は、街のはずれにある。森から“ズドーン”と低い音がしたと言う二人について行くと、なんとみんなのさくらの木が切りたおされていた。それは、おいらたちが生まれて、母さんが元気だったころ、いっしょにすごしたほこらがある思い出の木だったのに。「どうしてこんなことを!人間ってやつは!」ニャゴがそううなってせ中の毛をボワッと立てた。文字が読めるかしこいトラは、横のかん板をじっと見ておこって言った。「森をくずしてマンションをたてる気だな。ゆるせない!!」ぼくたちは作戦会ぎを始めた。みんなで話し合い、森で一番かしこい長ろうガラスとねずみの親分に、力をかしてもらうことにしたんだ。「ねずみのデカに声をかけるのは、おいらがやるよ。兄さんたちは、長ろうガラスに人間への手紙を書いてもらいに行ってくれ。」おいらは一人で、森のはしっこの岩穴でくらすねずみのデカの所へ走って行った。「おいデカ、表へ出て来い!さもなきゃ食べるぞ!」おどろいたデカは、とび出て来て言った。「食べる気か、それとも戦う気か!」「どっちもちがうんだ!助けをもとめて来たのさ。」ぼくはわけを話して、デカに心から頼んだ。「よし、わかった。交かんじょうけんとして、これからは、ぼくたちをおそわないでくれ。」デカは、おいらの目をじーと見ながら言った。そしておいらは、しかたなくオーケーと答えると、トラとニャゴの所へ全速力で行った。「こっちはねずみたちに協力してもらえるぞ!そっちはどうなった?」「こっちの人間への手紙も、完ぺきだぜ。」おいらたちは、長ろうガラスに書いてもらった手紙を、マンションの工事げん場にはり出した。するとすぐに工事の人間が来て、それを読み始めたのをじーっと見ていた。「何だ?ヘンテコリンなことが書いてある。 (マンションのなかに、しぜんがあるばしょをいっぱいつくらなければ、こうじげんばをたいりょうのねずみがおそうことになるぞ。にんげんたちよ、かくごしろ!みけねこ三きょうだいより)なんだこりゃ?きっと子どものいたずらだな。」「今だ!行けー!」おいらは大声で言った。そのとたん、デカがつれたねずみぐん団が、工事げん場をおそった。「うおー本当だったのか!森のたたりだー。」人間は、ねずみたちにあちこちかじられてこりたんだろう。工事の計画は大きくかわって、森をぐるりと囲んだ形のマンションがたったんだ。みけねこからの手紙のうわさは広がりここには動物好きな人間たちが集まって来て、自然とも仲よく住むようになったのさ。自然がいっぱいのこのマンションは、みけねこマンションとよばれている。まあ、おいらたちねこは、ねずみをとれないのはザンネンだけれど、力をかしてくれたねずみのデカとのやくそくだからな。めでたしめでたしってわけさ。

おいらのなまえはミケ。とつぜんだけど、キミは「みけねこマンション」をしってるかい?しらない?じゃあ、これからはじめるはなしを、りょうみみをピンとたててきいてくれ。あるあさのことだった。ズドーーーーンッ!ニャゴにいさんがとびおきた。「いまのはなんのおとだ?」「おれもきいたよ。もりだな、いこう」トラにいさんがはしりだし、おいらたちはついていった。まちのはずれのもりにいくと、さくらのきがきりたおされていた!かあさんがげんきだったころ、いっしょにあそんだおもいでのきだったのに。ニャゴにいさんは、うなるとけをボワッとさかだてた。トラにいさんは、かんばんをじっとにらんだ。「にんげんがもりをこわしてマンションをたてるきだな」よるになって、おいらたちはさくせんかいぎをした。「にいさんたちは、ちょうろうフクロウにたのんで、てがみをかいてもらってくれ。おいらは、ねずみのデカにあってくる」「おいデカ、おもてへでてこい!さもなきゃたべるぞ!」おどろいたデカは、いわあなからとびでてきていった。「たべるきか、それとも、たたかうきか!」「どっちもちがうんだ!たすけをもとめてきたのさ」おいらはわけをはなして、デカにこころからたのんだ。「よし、わかった。こうかんじょうけんとして、これからは、ぼくたちをおそわないでくれ」デカは、おいらのめをじーとみた。そして、おいらは、しかたなく「オーケー」とこたえた。ニャゴにいさんとトラにいさんは、ちょうろうフクロウにあいにいった。「おーい、ちょうろう!たすけてくれ!」「このもりがマンションになっちまわないように、てがみをかいてくれ!」「よーし、わかった。おまえたちのかわりに、にんげんにおどしのてがみをかいてやろう」おいらたちは、てがみをマンションのこうじげんばにはりだした。〈マンションのなかに、しぜんがあるばしょをいっぱいつくらなければ、こうじげんばをたいりょうのねずみがおそうことになるぞ。にんげんたちよ、かくごしろ!みけねこ三きょうだいより〉すると、にんげんがやってきた。「ヘンテコリンなことがかいてある」「なんだこりゃ?きっとこどものいたずらだな。こんなものきにしなくていいさ」いまだ!いけー!「うおー、ほんとうだったのか!もりのたたりだー」にんげんたちは、こりたんだろうな。こうじの けいかくは、おおきくかわった。みけねこのてがみのうわさはひろがり、どうぶつずきのにんげんがあつまってきて、しぜんともなかよくすむようになったのさ。こうして「みけねこマンション」がうまれたんだ。どのきせつもしぜんがサイコーなマンションさ。まあ、もうねずみをとれないのはザンネンだけど、デカとのやくそくだからな。めでたしめでたしってわけさ。 おいらの名前はミケ。兄さんが二人いる。ニャゴとトラだ。おいらたちは、それぞれ気ままにくらしている。でも時々いっしょに遊ぶ、仲良しみけねこ三兄弟だ。とつぜんだけどキミは、ミケねこマンションを知ってるかい?けっこう有名だぜ。「それって何?」と思う人もいるだろう。だからおいらは長ろうガラスにお願いして、このお話を書いたんだ。両耳をピンと立てて聞いてくれ。ある朝、ニャゴがとび起きて言った。「おや?今のは何だ?」「何だって、何だよ。」おいらはねむたい目を前足でこすって言った。「おれも聞いたよ、ニャゴ。森だな、行こう。」トラがそう言って走り出したから、おいらたちはついて行った。おいらたちが生まれ育った森は、街のはずれにある。森から“ズドーン”と低い音がしたと言う二人について行くと、なんとみんなのさくらの木が切りたおされていた。それは、おいらたちが生まれて、母さんが元気だったころ、いっしょにすごしたほこらがある思い出の木だったのに。「どうしてこんなことを!人間ってやつは!」ニャゴがそううなってせ中の毛をボワッと立てた。文字が読めるかしこいトラは、横のかん板をじっと見ておこって言った。「森をくずしてマンションをたてる気だな。ゆるせない!!」ぼくたちは作戦会ぎを始めた。みんなで話し合い、森で一番かしこい長ろうガラスとねずみの親分に、力をかしてもらうことにしたんだ。「ねずみのデカに声をかけるのは、おいらがやるよ。兄さんたちは、長ろうガラスに人間への手紙を書いてもらいに行ってくれ。」おいらは一人で、森のはしっこの岩穴でくらすねずみのデカの所へ走って行った。「おいデカ、表へ出て来い!さもなきゃ食べるぞ!」おどろいたデカは、とび出て来て言った。「食べる気か、それとも戦う気か!」「どっちもちがうんだ!助けをもとめて来たのさ。」ぼくはわけを話して、デカに心から頼んだ。「よし、わかった。交かんじょうけんとして、これからは、ぼくたちをおそわないでくれ。」デカは、おいらの目をじーと見ながら言った。そしておいらは、しかたなくオーケーと答えると、トラとニャゴの所へ全速力で行った。「こっちはねずみたちに協力してもらえるぞ!そっちはどうなった?」「こっちの人間への手紙も、完ぺきだぜ。」おいらたちは、長ろうガラスに書いてもらった手紙を、マンションの工事げん場にはり出した。するとすぐに工事の人間が来て、それを読み始めたのをじーっと見ていた。「何だ?ヘンテコリンなことが書いてある。 (マンションのなかに、しぜんがあるばしょをいっぱいつくらなければ、こうじげんばをたいりょうのねずみがおそうことになるぞ。にんげんたちよ、かくごしろ!みけねこ三きょうだいより)なんだこりゃ?きっと子どものいたずらだな。」「今だ!行けー!」おいらは大声で言った。そのとたん、デカがつれたねずみぐん団が、工事げん場をおそった。「うおー本当だったのか!森のたたりだー。」人間は、ねずみたちにあちこちかじられてこりたんだろう。工事の計画は大きくかわって、森をぐるりと囲んだ形のマンションがたったんだ。みけねこからの手紙のうわさは広がりここには動物好きな人間たちが集まって来て、自然とも仲よく住むようになったのさ。自然がいっぱいのこのマンションは、みけねこマンションとよばれている。まあ、おいらたちねこは、ねずみをとれないのはザンネンだけれど、力をかしてくれたねずみのデカとのやくそくだからな。めでたしめでたしってわけさ。

二重で書かれた文字が背景にたくさん並んだ画像

writer

小林 想葉

title

みけねこマンション

ものがたり部門受賞作品

01

episode
おんぶおんぶという絵本の表紙

この一冊から
はじまりました

about us

こども文学賞とは

はじめに

未来を担うこどもたち一人ひとりが夢や希望を持ち、健やかに成長してほしい。
日本新薬は、そんな願いを込めて2009年に「日本新薬こども文学賞」を創設しました。
「日本新薬こども文学賞」では、日本児童文芸家協会の後援を受けて、物語と絵画の2部門で広く作品を募集し、選ばれた両部門の最優秀作品で絵本を制作します。制作した2万冊の絵本は、全国の医療機関や図書館等の公共施設を通じてこどもたちのもとへ届けられているほか、WEBサイトにも掲載しており、多くのみなさまにご覧いただいています。

日本新薬は、絵本が一人でもたくさんのこどもたちの手に取られ、夢と感動をお届けすることができるよう心から願っています。

product

第16回制作絵本

文:小林 想葉/絵:nicolas

みけねこマンション

第15回制作絵本

文:平野 紗奈/絵:kado kado

ぼくは時計!

第14回制作絵本

文:藤田 陽一/絵:やぎ ひさこ

ゆうちゃんのノート

第13回制作絵本

文:きみきみよ/絵:くまのひでのぶ

もりのぶらんこ

第12回制作絵本

文:梶田 向省/絵:花原 淳子

十二支は大変です

第11回制作絵本

文:杉江 勇吾/絵:長谷川 あかり

みみくそくん

こども文庫が読める場所

未来を担うこどもたち一人ひとりが夢や希望を持ち、健やかに成長してほしい。
日本新薬は、そんな願いを込めて2009年に「日本新薬こども文学賞」を創設しました。
※詳しい蔵書状況は直接施設にお問い合わせください。

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